ニトリとユニクロが生き残った理由

特集 平成30年史全証言《企業》

似鳥 昭雄 ニトリホールディングス会長兼CEO
ビジネス 企業

渥美先生の教えが日本人の生活を変えた

似鳥昭雄氏 ©文藝春秋

 ニトリは平成という時代を通して成長を続けてきました。

 これまで31年つづく連続増収増益が始まったのは昭和62(1987)年度から。「日本一の家具小売業」を目標に店舗数を拡大し、平成15(2003)年に年間売上げ1000億円、100店舗を達成、平成27年には4000億円、400店舗と成長を続け、今後も2032年までに売上げ3兆円と3000店舗を目指しています。

 ここまで来られたのは、日本でチェーンストア理論を広めた故・渥美俊一先生の教えなくしてありえません。渥美先生は2010年に83歳でお亡くなりになりましたが、日本のチェーンストアの礎を築きあげ、日本の流通業を急速に発展させた最大の功労者。渥美先生こそ勲章を授かるべき人でした。チェーンストアの本場アメリカでもこれほど影響力を持った人はいません。

 こう語るのは家具チェーン最大手ニトリの似鳥昭雄会長(74)だ。ニトリは国内498店舗、海外67店舗を展開する巨大チェーンストア(12月7日時点)。2002年には東証一部上場を果たし、売上げ約5720億円、経常利益約948億円(18年2月期)。ユニクロと並び、平成時代の製造小売業の代表例となった。

 渥美先生は読売新聞の記者を経て、経営コンサルタントになった方です。記者時代、休みの日に全国を回り、2000以上の企業を訪問。同志となる有力企業に声をかけ、1962年にチェーンストア研究団体のペガサスクラブを設立しました。

 ニトリを創業してまだ5年ほどの1972年に私はアメリカ視察へ行きました。その時感じた衝撃が経営者としての私の原体験になっています。当時、米国の家具の値段は日本の約3分の1で、しかも品質や機能が日本よりも優れ、品ぞろえも豊富だった。そういった豊かさを実現しているチェーンストアの素晴らしさに私は衝撃を受けたのです。

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source : 文藝春秋 2019年1月号

genre : ビジネス 企業