評論家・専修大学教授の武田徹さんが、オススメの新書3冊を紹介します。
サブカルに疎い人でもシリーズ完結作となる新作『シン・エヴァンゲリオン劇場版 :||』が公開され、話題を呼んでいる程度は知っているだろう。1995年にTVアニメとして最初の“エヴァ”が始まった時、敵キャラの“分かりにくさ”が鮮烈な印象を残した。それまでの特撮やアニメに登場する敵は人間と似た姿で、宇宙から来たはずなのに日本語を話したりするが、エヴァでは意志の有無どころか生物かどうかも不明な、高熱にうかされて見る悪夢に出て来るような奇怪な敵が次々に襲来するのだ。
そんなエヴァの完結記念というわけではないが、今回は人類が理解を超えた世界といかに向き合ってきたか、歴史的に辿る新書を取り上げてみた。中野京子『異形のものたち』(NHK出版新書)は西洋美術史に登場する“怪異”なものの系譜を豊富な図版を用いて示す。著者によるとそこには法則があり、中世には際立った異形性を備えた怪物が描かれていたが、「時代が下るにつれてどんどん人間的になってきている」という。
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source : 文藝春秋 2021年6月号