東京・新宿 日本一多国籍な教室の子供たち

大反響第2弾「隠れ移民大国ニッポン」の現実

森 健 ジャーナリスト
ライフ 社会 教育

130カ国以上の人々が暮らす街の教育現場を訪ねた

新宿区立大久保小学校の授業風景 ©時事通信社

 電車のドアが開くと、ホームは若者で溢れかえっていた。

〈危ないですから、押さないでください。ホームから改札までは15分程度かかります〉

 構内放送が流れる。新宿駅から山手線で北に1駅、新大久保駅は昨今、平日・休日を問わず、多くの人々が押寄せている。

 改札を出て、大久保通りを東に行けば、韓国料理店がいくつも連なり、西に行けば中東名物のケバブ(肉のロースト)の店、ネパール料理店などが並ぶ。かねてより続く韓流ブームに加えて、近年は広大なアジア大陸の文化が広がっている。

 町中を飛び交う言葉は中国語、韓国語、タイ語、英語とさまざまで、判別不能な言語もある。ただし、道を歩いているのは、観光に来た旅行者だけではない。ここ新宿区は、在留外国人の住民が多い土地なのだ。

 2018年10月現在、新宿区在住の外国人は4万2849人。同区の人口のうち12%を占め、8人に1人が外国人という割合だ。20代に絞れば、4人に1人が外国人という統計もある。さらに、国籍内訳は134カ国にものぼる。新宿区は日本におけるグローバル化の“最先端”自治体だと言えよう。

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source : 文藝春秋 2018年12月号

genre : ライフ 社会 教育