日本においてはじめて疫病が流行したのは崇神天皇の治世だったという。「国内に疾疫多くして、民死亡(まか)れる者有りて、且大半(なかばにす)ぎなむとす」——国内で疫病が蔓延し人口の半分が亡くなった、と日本書紀には記されている。崇神天皇は神託に従い、大物主神(おおものぬしのかみ)を祀ることとし、現・奈良県三輪山麓に大神(おおみわ)神社を建立。また高橋活日命(たかはしいくひのみこと)というものに命じ、一夜で酒造りを行わせ、これを奉納することで未曾有の災厄を退けることに成功したという。
それ以降も日本はたびたび疫病に見舞われることになったが、為政者は神社仏閣の建立や祭礼などによって神仏の御加護を願い、また不安におののく民の心を慰めてきた。そして酒も常にその傍にあって、神事に欠かせぬものとして愛され続けてきた。
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source : 文藝春秋 2021年8月号