迷走する財務省の異常事態、独裁の後始末、駐米大使を案ずる声、早すぎる"ポスト河野”への思惑

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★白紙になった人事案

 財務事務次官と国税庁長官が不在という異常事態にある財務省の迷走が続いている。

 今夏の定期人事に関して、財務省はすでに原案を作成し官邸にあげていたが、これに安倍晋三首相自らが待ったをかけ、事実上の出し直しを要求したというのである。

 同省幹部らは当初、岡本薫明(しげあき)主計局長(昭和58年、旧大蔵省入省)を事務次官、星野次彦主税局長(同)を国税庁長官に昇格させ、太田充理財局長(同)を主計局長、矢野康治官房長(60年)を主税局長に据える構想を描いてきた。

 さらに、官房長には、有力視されてきた可部哲生総括審議官(同)ではなく、あえて藤井健志(たけし)国税庁次長(同)を置き、可部氏は理財局長に回す案を検討していた。

 この背景には、可部氏の夫人が、岸田文雄自民党政調会長の妹だという事情がある。安倍首相が岸田氏の総裁選への動向に神経をとがらせているため、政治との調整が主な仕事である官房長に可部氏を置くことで、無用な警戒心を惹起させたくなかったのだ。可部氏は将来の本命次官候補であるだけに、リスクを取らない戦略だった。

 だが、ここへきて人事案は白紙同然となり、さらには、浅川雅嗣財務官(56年)もしくは森信親金融庁長官(55年)を次官に起用する案が浮上しているとの観測報道が出る始末である。

 森氏は9月から米コロンビア大学で教鞭を執ることが確定している上に、金融行政で強権を振るったことからOBを含めて古巣に敵が少なくない。そのため、次官就任の可能性は低いと見られる。一方の浅川氏は、一部に支持する中堅幹部がいるものの未知数である。

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source : 文藝春秋 2018年07月号

genre : ニュース 政治