「停滞の時代」に名を残す優れたリーダーは誰だ
御厨 天皇陛下の退位の日程が来年4月に決まり、平成という時代が終わりを告げようとしています。「高度成長」「ジャパン・アズ・ナンバーワン」と明るいイメージで語られてきた戦後の昭和とは対照的に、平成は「停滞の時代」「失われた20年」などネガティブな言葉で形容されてきました。
後藤 「55年体制」で自民党支配が続いた昭和とは異なり、平成では2度の政権交代がありました。政治の質が大きく変容した時代と言えるでしょう。
御厨 平成の30年間では驚くべきことに17人もの内閣総理大臣が誕生しました。彼ら一人一人を振り返って個別に評価を与えつつ“平成の総理ベスト3”を挙げてほしい、というのが今回の編集部からの依頼です。
では、竹下登(第74代)総理から始めましょう。竹下氏については共同通信政治部で長年“竹下番”を務めた後藤さんに勝る語り手はいないでしょうね。
後藤 現憲法下で初となる御代替わり、3%消費税の導入――。竹下氏ほど、「初めて」の出来事に遭遇した総理はいません。税率3%の消費税法が成立したのは昭和63年12月24日、クリスマスイブの晩でした。私邸に戻った竹下氏が「天皇陛下がご病気と闘い続けて下さったおかげだ」としみじみ語っていたことを覚えています。仮に、法案成立の前に崩御なさっていたら、消費税導入は頓挫していたかもしれません。
昭和64年1月7日に昭和天皇が崩御。官房長官の小渕恵三氏が「平成」を発表しました。竹下氏は「俺は名が残るが、小渕は顔が残る」と予見していました。
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source : 文藝春秋 2018年02月号