次々と手を打つ小池、裏切られた公明党、守勢に回る安倍の行方は……
「国難を乗り越えるために、どうしても今、国民の声を聞かなければなりません。相当厳しい選挙になることは覚悟しています」
9月25日夕刻。ついに伝家の宝刀を抜いた首相・安倍晋三は、この審判を「国難突破解散」と銘打った。
だが、ここに至る水面下で、官邸と公明党・創価学会が凄まじい攻防を繰り広げていたことはほとんど知られていない。
日頃から早期解散を進言してきた副総理兼財務相の麻生太郎に、安倍が私邸で解散の決断を伝えたのは9月10日、日曜日の夜だった。翌11日。安倍は公明党代表の山口那津男と会談し、「場合によっては臨時国会中に解散することも検討しようと思います」と耳打ちした。だが北朝鮮情勢も見通せない中、あえて曖昧な言葉を選んだ。山口はよもや冒頭解散と思わぬまま、翌日、プーチン大統領側近のマトビエンコ上院議長らとの会談に向けてモスクワへ飛んだ。公明党・創価学会が総選挙に向けて慌ただしく動き始めたのは、4日後の16日。このタイムラグは何を意味するのか。
山口が機上の人となった直後、官房長官の菅義偉は、密接な関係を築いてきた創価学会副会長(選挙担当)の佐藤浩に、臨時国会冒頭にも解散する可能性を密かに伝えた。森友・加計問題で守勢の選挙を余儀なくされると踏み、公明党の支持母体である創価学会の全面支援が不可欠と考えたからだ。
一部メディアは「公明党は改憲論議を先送りできるため、この時期の解散を歓迎した」と報じたが、実態はまったく異なる。
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source : 文藝春秋 2017年11月号