米空母打撃群「日本海急派」真の狙い

麻生 幾 作家
ニュース 政治 国際 韓国・北朝鮮

トランプ政権は北に“見えない戦い”を仕掛けた

空母カール・ヴィンソン ©時事通信

 2月上旬から5月下旬までの約3カ月半。日本中は異様な空気に包まれた。

 2月12日、日米首脳会談の真っ最中に北朝鮮が弾道ミサイル発射実験を行ってから、5月29日にミサイルが日本の排他的経済水域に落下するまで、9回ものミサイル発射が繰り返された。

 そのたびに早朝でも政府高官が首相官邸に駆けつけ、記者会見が開かれた。厚生労働省は攻撃ターゲットとなる可能性の高い在日米軍基地の周辺住民に対する緊急医療態勢確立の検討を始めた。

 その間、ミサイル発射を受けて、東京メトロが全線を緊急停止させ、車内で警報アナウンスを流すという事態も起きた。

 アメリカのトランプ大統領や政府高官たちはその言葉を繰り返した。

「軍事行動を含むあらゆる選択肢がテーブルの上にある」

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source : 文藝春秋 2017年08月号

genre : ニュース 政治 国際 韓国・北朝鮮