つねに視線に晒される内親王の思春期の葛藤
2003年から療養生活に入っている雅子妃殿下は、2016年に入ってから、目覚ましいご回復ぶりをみせていた。
雅子妃のご活動が目立ちはじめたのは4月のこと。神武天皇没後2600年の式年祭に天皇皇后両陛下が参拝されるため、皇太子殿下とともに名代として、宮中三殿で皇霊殿の儀に臨まれた。雅子妃が宮中に足を踏み入れられたのは、実に7年ぶりだった。細かい取り決めに則って執り行う宮中祭祀は、雅子妃にとって、とりわけ緊張を強いられるものとされていたが、無事にお役目を果たされたという。
普段の公務も、一部のみに限ったご出席があるものの、回数自体は増えており、俗に「八大行啓」(現在は7つに減っている)と呼ばれる重要行事にもいくつかご臨席されるようになった。これは両陛下から引き継がれた公務が主であり、16年6月には、そのひとつである「みどりの愛護」のつどいに7年ぶりにご出席された。千葉という近県ではあったが、地方での公務は8カ月ぶり。「八大行啓」では、続く7月にも、37度を超える猛暑日のなか、日本赤十字社の名誉副総裁として、「献血運動推進全国大会」にご出席された。これは療養生活に入られてから初のご臨席であり、13年ぶりに壇上から和やかな笑顔で拍手を贈られていた姿が印象的だった。
「雅子さまにとって、16年は八大行啓の半分にご出席されることが目標でした。また、15年秋と16年春の園遊会にご出席されましたが、招待客との歓談時間は5分ほど。16年11月に予定されていた秋の園遊会で、歓談時間をさらに延ばせるか、周囲も期待していたのです」(東宮職関係者)
外へのお出ましだけでなく、東宮御所内での公務にも同様に変化がみられていた。官庁などの人事異動者から挨拶を受ける「会釈」、赴任してきた大使などとの「接見」も、今までは1日に1回のみのご出席だったが、2回こなされる日もあった。加えて、公務の合間に展覧会や音楽会などにおでかけになる「ご覧」の数も増えていたのである。
以前とは比べようもないほどお出ましになられる雅子妃に対して、宮内庁関係者から「急ぎすぎるのは、かえって後のご体調にさわりがあるのでは」と心配する声が洩れるほどだったという。
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source : 文藝春秋 2017年01月号