世界的ベストセラーが日本上陸
題名を見ると身構えてしまう人がいるかもしれません。なにせ「ラテン語の授業」ですから。
でも、大丈夫。いまブームになっている感のあるリベラルアーツの原点である古代ローマの言葉が、いかに世界の教養のもとになっているかを知るエッセイ集です。
著者は韓国ソウルの大学でラテン語講座を持っていました。そこでの経験を、著者は古代ローマの哲学者セネカの言葉を引用して表現します。〈人は教えている間に、学ぶ Homines, dum docent, discunt〉
ラテン語は、知らないうちに私たちの言葉になっています。たとえばユビキタスやビジョン、アウディ、アクア、ステラなど。いずれもラテン語由来なのです。大学のモットーなどにもラテン語はよく使われます。たとえばアメリカの名門ハーバード大学のモットーは「Veritas」(ヴェリタスと発音。真実のこと)。
なぜラテン語はもてはやされるのか。〈ラテン語で述べられた(語られた)ものは何でも高尚に見える〉からだというのです。
ローマ帝国やカトリックの神学校で学生たちが学んでいた学問は、「文法学、修辞学、論理学」の3学と「音楽、算術、幾何学、天文学」の4科でした。これが「リベラルアーツ7科」として伝わっています。
古代ローマは地中海沿岸の国々を次々に属州としていましたが、吸収された国の人々は、ローマに支配されたとは感じていなかったといいます。それは、ラテン語が「相手を尊重し認める」という言語だからだというのです。
有料会員になると、この記事の続きをお読みいただけます。
記事もオンライン番組もすべて見放題
今だけ年額プラン50%OFF!
月額プラン
初回登録は初月300円・1ヶ月更新
1,200円/月
初回登録は初月300円
※2カ月目以降は通常価格で自動更新となります。
オススメ! 期間限定
年額プラン
10,800円一括払い・1年更新
450円/月
定価10,800円のところ、
2025/1/6㊊正午まで初年度5,400円
1年分一括のお支払いとなります。
※トートバッグ付き
有料会員になると…
日本を代表する各界の著名人がホンネを語る
創刊100年の雑誌「文藝春秋」の全記事、全オンライン番組が見放題!
- 最新記事が発売前に読める
- 毎月10本配信のオンライン番組が視聴可能
- 編集長による記事解説ニュースレターを配信
- 過去10年6,000本以上の記事アーカイブが読み放題
- 電子版オリジナル記事が読める
source : 文藝春秋 2022年12月号