皇室が動揺する時、この国は乱れる。千年あまりの歴史に育まれたこの国の国柄を見直す
今、日本は大きな危機に直面しつつあるのではないか。ここ数年来、そうした予感を抱いてきました。それも国際情勢などの「外患」だけではなく、国の根幹が深いところで揺らいでいる。そしてそれを端的に表しているのが皇室の問題だと思うのです。
近年、皇室は、皇位の後継者問題、皇太子妃雅子さまのご病状、天皇皇后両陛下のご体調など、多くの問題に見舞われてきました。
しかし、私の見るところ、日本の国柄を守ると同時に、皇室の方々の負担を軽減する「持続可能な天皇制」を論じる国民の声は、少なすぎるように思います。そして、天皇皇后両陛下をはじめとする皇室の努力に、あまりに多くを委ね過ぎてきたのではなかったでしょうか。
私が、昨年、「皇太子殿下、ご退位なさいませ」(『新潮45』二〇一三年三月号)という論文を発表した真意は、こうした天皇制の本質が理解されぬままに、表層的な議論に終始している現状に一石を投じたいという思いからでした。しかし、その真意はなかなか伝わりにくかったようです。
ここでは、千年以上の歴史を持つ天皇制の本質とは何か、そして守るべき国柄はどこにあるかを論じて、これからの皇室を考えたいと思います。
そもそも日本の天皇制を考える上で不可欠なのは、王制、共和制、大統領制など世界の様々な政治形態と比較し、その特徴を見極めることでしょう。
有料会員になると、この記事の続きをお読みいただけます。
記事もオンライン番組もすべて見放題
新規登録は「月あたり450円」から
-
1カ月プラン
新規登録は50%オフ
初月は1,200円
600円 / 月(税込)
※2カ月目以降は通常価格1,200円(税込)で自動更新となります。
-
オススメ
1年プラン
新規登録は50%オフ
900円 / 月
450円 / 月(税込)
初回特別価格5,400円 / 年(税込)
※1年分一括のお支払いとなります。2年目以降は通常価格10,800円(税込)で自動更新となります。
有料会員になると…
日本を代表する各界の著名人がホンネを語る
創刊100年の雑誌「文藝春秋」の全記事、全オンライン番組が見放題!
- 最新記事が発売前に読める
- 毎月10本配信のオンライン番組が視聴可能
- 編集長による記事解説ニュースレターを配信
- 過去10年6,000本以上の記事アーカイブが読み放題
- 電子版オリジナル記事が読める
source : 文藝春秋 2014年04月号