「是非おいでいただきたい」オランダのマキシマ妃からの電話が雅子妃の背中を押して──
平成二十五年四月二十八日、赤坂・東宮御所の正面玄関で皇太子殿下と雅子妃殿下のオランダ公式訪問のご出発を女官とご一緒に見送られた敬宮愛子さま。
両殿下と六日間も離れ離れのご経験は、初めてのこと。雅子妃にとって十一年ぶりの海外公務という緊張した雰囲気を察せられたのだろう。
「両殿下のご出発前も、忘れ物はないですかなどと、気を使われていたそうです」(宮内記者)
雅子妃が、「では、行って参りますからね。大丈夫?」 とやさしく声を掛けられると、愛子さまは敢えて目を合せずに、「大丈夫。行ってらっしゃい」と、お答えになったという。そして、何度も振り返る皇太子ご夫妻とは対照的に、愛子さまは振り返ることなく東宮御所内に戻られたのだった。
愛子さまは後にこの時のお気持を、「見えなくなるまでお見送りしてしまうと悲しくなるでしょう」と、東宮職に打ち明けている。雅子妃と互いに交換したお守りを胸に、両殿下のご成功をそっと案じておられたのだった。
午後二時五十分。東宮御所から羽田空港に到着された雅子妃は、白いツーピース姿だった。決して顔色が良いとはいえず、「オランダに到着されるまでは安心できない」と東宮職は語っていた。ご療養に入られて十年、未だにご体調の波はあるという。海外公式訪問が正式に決まってからは、ご自分で体調管理に努めてこられたというが、不安で眠りが浅い日もあったという。
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source : 文藝春秋 2013年07月号