甲骨文の精緻な読解をもとに新しい漢字解釈の学説を打ち立てた白川静(1910〜2006)。中国歴史小説の書き手として名高い宮城谷昌光氏は、「白川文字学」に天地がひっくりかえるほどの衝撃を受けた。
白川先生の著作とめぐりあうまでの私は、いわば暗い荒野を歩く旅人でした。小説における一つ一つの描写に、最も相応しい漢字の表記は何か。「会う」か「逢う」か、あるいは「遭う」か。漢字には、語源を辿るとそれぞれに細かなニュアンスの違いがあります。しかし、当時の語源辞典を読んでも、使い方は判然としない。考えるたびに闇は深まり、私を苦しめていました。
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source : 文藝春秋 2023年1月号