1976年結成の「ゴダイゴ」は、「銀河鉄道999」「ビューティフル・ネーム」などのヒット曲を連発した。作詞を担った奈良橋陽子氏が振り返る。

ゴダイゴの始まりは、私の夫だったジョニー野村に、タケカワユキヒデさんが「自分が作詞・作曲した歌を聴いてほしい」と連絡してきたことでした。私も電話越しにその歌を聴き「いいね」と言ったものです。
ジョニーがタケ(タケカワさん)をプロデュースすることになり、彼と英語の歌詞を練習するところからスタートしました。やがて私が英詞を書くようになりました。
次にジョニーが考えたのは、ミッキー吉野さんをリーダーとして国際的に通用するグループを結成したいということでした。ミッキーとジョニーで他のメンバーを集めてきて、ミッキーがゴダイゴ(GODIEGO)と命名しました。昔の日本の天皇の名前であり、GO DIE GO(突っ走っていけ!)という意味も含めていたと記憶しています。
メンバーは一人ひとり個性的で、タケの書く曲にミッキーの素晴らしいアレンジが加わり、非常に豊かなサウンドが生まれてきました。特に最初の数年間は、私たちは夢中になって楽曲やアルバムを作っていきました。タケは私の中にあるイメージを誰よりも理解してくれ、よくその場で即興的に曲を作っていました。
「ガンダーラ」は、私が国際基督教大学に通っているときに授業で出会った素敵な言葉で、ちょうど世界の西と東が一緒になるという――それは私にとってのユートピアだと思ったのです。当時の吉祥寺の私の家のベランダで、タケがガンダーラをギターの弾き語りで披露したときのことを今も思い出します!

タケやミッキーをはじめとするゴダイゴの皆さん、今は亡きジョニーと浅野孝已さん(メンバーのギタリスト)には本当に感謝の気持ちしかありません。無我夢中に一緒に曲作りをしてきたことは私たちのガンダーラだったと思います。
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source : 文藝春秋 2023年1月号