90年代からの長い「失われた時代」で日本が失ったものは多いが、その一つに日本のロシア外交がある。
かねがね、そう考えていたが、最近、欧州屈指のアジア通のベテラン外交官と食事をして、その感を強めた。
彼は日本語と中国語をともによくし、日本に駐在する前、中国に勤務した経験を持つ。彼は言った。
「北京滞在の時、ロシアの外交官と親しくし、よく食事をともにした。彼はマオタイを飲むとホンネを漏らしたものだ。『本当のところ、ロシアは日本のようなパートナーを求めているんだ。しかし、領土問題のせいで、それがなかなかかなわない。日本がベストなのにセカンド・ベストを選択せざるを得ない』ってね」
セカンド・ベスト、つまり、中国のことである。
ロシアもまた対中リバランシング外交を模索しているということなのだろう。
何も驚くに当たらない。
有料会員になると、この記事の続きをお読みいただけます。
記事もオンライン番組もすべて見放題
初月300円で今すぐ新規登録!
初回登録は初月300円
月額プラン
1ヶ月更新
1,200円/月
初回登録は初月300円
※2カ月目以降は通常価格で自動更新となります。
年額プラン
10,800円一括払い・1年更新
900円/月
1年分一括のお支払いとなります。
※トートバッグ付き
有料会員になると…
日本を代表する各界の著名人がホンネを語る
創刊100年の雑誌「文藝春秋」の全記事、全オンライン番組が見放題!
- 最新記事が発売前に読める
- 毎月10本配信のオンライン番組が視聴可能
- 編集長による記事解説ニュースレターを配信
- 過去10年6,000本以上の記事アーカイブが読み放題
- 電子版オリジナル記事が読める
source : 文藝春秋 2013年3月号