アベノミックス相場は早くも調整局面にさしかかったとの見方が出始めている。
長期金利が上昇(国債価格が下落)し、それが国債を大量に保有している金融機関の経営を圧迫するのではないかとの懸念が市場を神経質にさせている。
富裕層の資産効果は効いてきたが、個人消費は湿っているし、設備投資がまだ点火しない。だから銀行の貸し出しも伸びない。
そもそも、金融、財政に次ぐ第三の矢(成長戦略)がどこまで飛ぶのか。なかでも参議院選挙後、農業と健康・医療の規制緩和と市場改革がどこまで進むか。
市場はなお疑心暗鬼である。
しかし、アベノミックスには世界、とりわけ欧米から追い風が吹いている。
反緊縮バックラッシュ(逆流)という追い風である。
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source : 文藝春秋 2013年7月号