中国にとっての脅威は北か南か

新世界地政学 第39回

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 中国はユーラシアにおいて14の国々と国境を接し、欧州、ロシア、インドと競っている。しかし、同時に、1万4000㎞に及ぶ長い海岸線を持ち、7000近い島を擁する。ここでは米国、日本、インドと対峙している。中国の11の省・特別市・自治区が海に接していることに着目すると、中国は3分の2が大陸国家、3分の1が海洋国家と言ってもよい。

 かくして、中国は大陸と海洋の地政学的葛藤を同時に管理しなければならない。大陸(北)から脅威が訪れる時は、海洋(南)は平和を維持する。海洋(南)から脅威がやってくるときは、大陸(北)は慰撫工作で安定させる。これは中国の長い歴史に共通してみられる1つのパターンである。

 1991年のソ連崩壊後、中国は北からの脅威を考えずに済む“安全保障上の大ボーナス”を手にした。

 その戦略的意味は次のようなものだ。

 ★北の潜在的脅威に対抗するため有用だった日本の戦略的価値は減った。

 ★北の緊張の緩和によって地続き国との国境紛争のほとんどを解決した。

 ★南の海洋防衛に戦略的投資を集中することができるようになった。

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source : 文藝春秋 2014年11月号

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