混線する「対米中韓」官邸外交

赤坂太郎

ニュース 政治 中国 韓国・北朝鮮

月刊「文藝春秋」の名物政治コラム「赤坂太郎」。安倍へのすり寄り合戦が続く政権は、「春」を無事に乗り越えられるか。

 株価は上がり、野党は壊滅、自民党内にも向かうところ敵なし、内閣支持率も高値安定――。

 首相・安倍晋三が政権への返り咲きを果たして12月26日で1年を迎える。この1年間の絶好調はおそらく、平成26年度予算の成立が見込まれる来年春までは続く。だが、政権の落とし穴はえてして、得意技にあらわれる。安倍が長年、心血を注いできた外交と、アベノミクスで好調を謳歌した経済だ。安倍へのすり寄りを競い合う官僚たちの存在と公明党の動向が、この二つの課題の前途に暗雲を投げかけ始めている。11月下旬のある1週間を追えば、その予兆はすでに出ている。

 11月23日土曜日。安倍は母・洋子らと映画鑑賞を楽しんだ後、予定外に首相公邸に立ち寄った。官房副長官補・兼原信克、高見沢将林たちから緊急の報告を受けるためだった。

「中国が沖縄県の尖閣諸島を含む東シナ海空域に、防空識別圏を設定しました」

「米政府とも緊密に連携し、中国へ厳重に抗議します」

 官僚たちの報告に、安倍は「それでいい」と指示を出すと、わずか40分足らずで公邸を後にした。

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source : 文藝春秋 2014年1月号

genre : ニュース 政治 中国 韓国・北朝鮮