樹々のざはめき

短歌

エンタメ アート
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空襲下燃ゆる名古屋城(めいじゃう)とむらひの経あげしとぞこの国びとは

春ふかき血の池公園ゆふやみに数ふるなかれ遊びゐる子ら (長久手古戦場)

戦役(えき)ながく長久手までも血に染めて池みづは(とき)来れば赤しと

古墳とふ丘には吉根(きっこ)城址あり死の層のうへ宮居しづもる

深々と遺骨にその根からむとき緋の花咲くや樹のもとの葬

土葬する異教のかばね如何にかも神見そなはす樹々のざはめき

〈か()み〉とふ〈かみ〉のあはひの()を見つめ一日(ひとひ)のはじめ朝のひかりに

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source : 文藝春秋 2023年7月号

genre : エンタメ アート