【つ】「ツイッター」が改称 コカコーラ現象起こるか

日本語探偵

飯間 浩明 『三省堂国語辞典』編集委員
ニュース 社会 教育

国語辞典編纂者の飯間浩明さんが“日本語のフシギ”を解き明かしていくコラムです

 短文投稿サイトのツイッターは、2023年7月24日に「X」と改称しました。突然の発表は混乱を招きました。

 代表的なSNSとして定着し、基本的な情報インフラにさえなっていた「ツイッター」の名前が変わるのは大変な事態です。利用者の合意を得ることもなく、事前の説明もなしに改称するというのは、きわめて乱暴な話です。

「ツイッター」の名前は世の中のあらゆるところに浸透し、受け入れられています。主要な情報ツールとして、誰にも説明抜きで理解されるようになりました。「ツイッターの情報では」と言えば、普段利用していない人にも通じます。改称後は「X」と言っても分かりにくく、情報発信に携わる人々は苦慮しているだろうと思います。

 メディアでは、「X(旧ツイッター)」と記すことも多くなりました。ただ、これでは字数が多くなるし、そこがニュースの中心でない場合、あまり詳しく書きたくないこともあるはずです。

 NHKニュースは従来、著名人や機関がツイッターで発信すると、「公式ツイッターで公表」などと表現していました。大坂なおみ選手の全豪オープン欠場の報道(1月8日)もそうでした。ところが、「X」に改称後の8月5日、羽生結弦さん結婚発表のニュースでは「公式SNS」と表現しました。用語の変化の様子はデータベースで確認できます。

 私自身も、「Xでは」「Xによれば」などと書いても伝わる気がしません。代わりに「SNSでは」と一般名詞を使うようになりました。「ツイート」は「投稿」、「リツイート」は「転送」です。

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source : 文藝春秋 2023年10月号

genre : ニュース 社会 教育