父親による姉弟への悪魔のような性虐待と精神支配の末、弟は自ら命を絶った。亡くなった弟のため、そして自分のために立ち上がった塚原たえさん(51)は実名告発を決心。性暴力の実情を長年取材するジャーナリストの秋山千佳氏が徹底取材した。(後編はこちら)
12月20日(水)17時より、塚原たえさんと、精神保健福祉士・社会福祉士の斉藤章佳さん、性暴力の実情を長年取材するジャーナリスト・秋山千佳さんによる「文藝春秋 電子版」のオンライン番組「父親からの性虐待を告発する 『弟は命を絶ちました』」を配信します。
「和寛は死んでも構わない」
2021年10月。塚原たえ(51)は、知人にいない「中村」姓の人物からの手紙を受け取った。相手の住所にも見覚えがない。
封を開けると、1枚の便箋が出てきた。
前略
元気でいる事と思います
私も終活の年となり子供の相続意志確認したく
連絡をとりたいと思います
人でなしの親のせいで貧乏し皆気が狂ってしまいました
皆深い傷を負いました よく生きていてくれたと思います
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