★官房副長官の意中の人
中央官庁「令和」初の人事は大どころに変更はないとされる。その一方で注目は、10月の即位の礼が終わった後の首相官邸人事である。
第2次安倍晋三内閣発足とともにそのポストにある杉田和博官房副長官(昭和41年、警察庁入庁)は、すでに在任6年を大きく超えている。官僚トップの座に長期在任したのは、7年超の石原信雄氏(27年、旧地方自治庁)、8年超の古川貞二郎氏(35年、旧厚生省)がいるが、杉田氏は「先輩2人とは年齢が違う」と漏らす。杉田氏はすでに78歳で、両氏が退官した年齢を上回る。
そんななか「杉田副長官の意中の人」(官邸スタッフ)と言われ、有力後継候補のひとりと目されているのが古谷一之官房副長官補(53年、旧大蔵省)だ。古谷氏もすでに6年以上、現職を務めているが、改元・代替わりを遺漏なく進め、「安定感は抜群」(同)と評される。
だが、旧内務省系が担当してきた副長官ポストに、財務省出身者が就任してよいのかとの問題がある。旧大蔵省出身者が副長官になったのは、第1次安倍内閣の的場順三氏(32年)ただ1人。とはいえ、的場氏は退官後、15年以上も民間にいたために現場とも距離があり、逆に当時の財務官僚は「これは財務省へのあてつけだ」と不満を漏らしていたほどだった。
さらに、古谷氏の後任の内政担当副長官補には藤井健志(たけし)国税庁長官(60年)が就く見通しだが、その場合には、2人の財務省出身者が官邸官僚の中枢にいることになる。
そのため、岡崎浩巳(ひろみ)元総務次官(51年、旧自治省)や米田壯(つよし)元警察庁長官(同、警察庁)、山﨑重孝内閣府事務次官(58年、旧自治省)らの名前もあがる。今後の動向から目が離せない。
★大物財務官のフィナーレ
財務省国際派のトップである浅川雅嗣財務官(56年、旧大蔵省)は7月に就任から丸4年を迎える。「在任3年が大物の証し」とされる財務官ポストだが、昨年は森友問題や事務次官のセクハラ騒動で省内が大混乱に陥り、その余波もあって浅川氏はさらに1年留任した。
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source : 文藝春秋 2019年7月号