男嫌いの処女神

名画が語る西洋史 第139回

中野 京子 作家・ドイツ文学者
エンタメ アート

一枚の名画をのぞき込んでみると……

 

✓見えてきたのは「もしや独眼竜政宗?」

兜の前立てに三日月とくれば、すぐ思い出されるのが伊達政宗。月が満ちてゆくような大願成就を祈っての兜飾りだったという。彼の辞世の句もまた月に関連し、曰く、「曇りなき 心の月を 先立てて 浮世の闇を 照らしてぞ行く」。実に男らしい。さて、しかしこの絵の主は政宗ではなく、月の女神。絵画におけるアトリビュート(その人物をあらわす持ち物)として、ヘアバンドに三日月飾りが使われている。

 


 

男嫌いの処女神

『水浴のディアナ』

 

1742年、油彩、57×73cm、ルーヴル美術館 / 写真提供 alamy/amanaimages

 月の女神ディアナ(=アルテミス、ダイアナ)は太陽神アポロンの双子の姉。父親は主神ゼウス(=ユピテル、ジュピター)なので、神々の中のエリートたるオリンポス12神のひとりだ。

有料会員になると、この記事の続きをお読みいただけます。

記事もオンライン番組もすべて見放題
新規登録は「月あたり450円」から

  • 1カ月プラン

    新規登録は50%オフ

    初月は1,200

    600円 / 月(税込)

    ※2カ月目以降は通常価格1,200円(税込)で自動更新となります。

  • オススメ

    1年プラン

    新規登録は50%オフ

    900円 / 月

    450円 / 月(税込)

    初回特別価格5,400円 / 年(税込)

    ※1年分一括のお支払いとなります。2年目以降は通常価格10,800円(税込)で自動更新となります。

    特典付き
  • 雑誌セットプラン

    申込み月の発売号から
    12冊を宅配

    1,000円 / 月(税込)

    12,000円 / 年(税込)

    ※1年分一括のお支払いとなります
    雑誌配送に関する注意事項

    特典付き 雑誌『文藝春秋』の書影

有料会員になると…

日本を代表する各界の著名人がホンネを語る
創刊100年の雑誌「文藝春秋」の全記事、全オンライン番組が見放題!

  • 最新記事が発売前に読める
  • 毎月10本配信のオンライン番組が視聴可能
  • 編集長による記事解説ニュースレターを配信
  • 過去10年6,000本以上の記事アーカイブが読み放題
  • 電子版オリジナル記事が読める
有料会員についてもっと詳しく見る

source : 文藝春秋 2024年3月号

genre : エンタメ アート