被害補償の実態は「ブラックボックス」
「これが、SMILE-UP.と交わした補償合意書です」
端整な顔立ちの男性は鞄から封書を取り出すと、テーブルに書面を置いた。
「SMILE-UP.との補償合意はあくまで、被害者側が“守秘義務”を守ることを前提に交わされます。なぜ、被害者である私たちが義務を負わせられるのか? 口外すれば法的責任を取らされるのか? 提示された補償金額も、妥当かどうか、個人では判断することも困難です。被害者を不安に陥れるこうしたやり方は、精神的ダメージを受けている被害者にさらなる追い討ちをかけるものではないでしょうか……」
◇◇
昨年、英・BBC報道を契機に大騒動へと発展した故・ジャニー喜多川氏による性加害事件。 “史上最悪の性加害事件”ともいえる問題であるにもかかわらず、今年に入ってまるで一段落したかのような空気さえ漂わせている。TVをつければ旧ジャニーズ事務所所属タレントのCMが平然と流れ、ワイドショーでもコンサートの様子や東山紀之社長らが能登半島地震の被災地で炊き出しをしたニュースが好意的に報じられている。
旧ジャニーズ事務所(SMILE-UP.)は2月29日、補償受付窓口への申告者964名のうち、249名と合意し補償金を支払ったことを「被害補償特設サイト」上で公表した。フジテレビは「同社による補償が進んでいる」として、4月の番組改編以降、旧ジャニーズタレントを起用すると2月16日の定例会見で表明。日本テレビは同月26日の定例会見で「4月以降の起用も検討段階に入った」とした。
これらは、補償が「適切に」進んでいることが前提でなければならないはずだ。
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