菅義偉前首相インタビュー ポスト岸田の条件

緊急特集 絶体絶命の自民党

菅 義偉 前内閣総理大臣
ニュース 政治

「結党以来の危機」に自民党のキーマンが緊急提言 (聞き手 新谷学・文藝春秋総局長)

 ──菅前総理に今日伺いたいのは、単刀直入に「自民党は復活できるか?」ということです。6月下旬、マスコミ各社が報じた岸田文雄内閣の支持率は軒並み20パーセント前後に下落し、政権発足以降、最低の水準を更新しました。国民の間で自民党政治への不信感はかつてないほど高まっています。自民党は1955年の結党以来、最大の危機を迎えているように見えるのですが、現状をどう見ていますか。

  非常に厳しい状況にあることは、私だけでなく、多くの議員が認識しています。

 ──2009年の夏、麻生太郎内閣のもとで行われた解散総選挙に敗れて下野した時と比べてどうでしょうか。

  当時と比較すると現在の野党はまだ(解散総選挙への)準備ができていない状態だという評価もありましたが、実際には彼らもしっかりと選挙に向けて態勢を整えてきています。最近では自民党内から「このままでは政権交代になる」という悲痛な叫びが聞こえてきます。

 昨年11月に派閥による政治資金パーティを巡る裏金問題が表面化してから約半年間、この対応に追われた岸田政権だったが、ついに6月19日、改正政治資金規正法を可決・成立させた。だが一件落着とはならず、世論調査では「『政治とカネ』の問題の再発防止に『効果はない』」とする声が7割を超え(朝日新聞6月18日付)、国会閉会間際には所属議員からも相次いで岸田首相の総裁退任を求める声が上がった。現在の自民党は国民の信頼も党内のガバナンスも失い、行き先不明のまま彷徨っている状態だ。

 9月に行われる自民党総裁選のキーマンとして、その一挙手一投足に注目が集まる菅義偉前内閣総理大臣(75)に聞いた。

「文藝春秋 電子版」のオンライン番組に出演した菅義偉前首相 ©文藝春秋

過半数割れもあり得る

 ──菅さんは6月22日、自民党の千葉県連大会壇上で「国際的にも国内的にも極めて大事な時に政権を(野党に)渡してはならない」と発言しています。これも党内の危機感を表した言葉なのでしょうか。

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source : 文藝春秋 2024年8月号

genre : ニュース 政治