健康診断の結果という“数字の羅列”を、身体を読み解くコンパスに変える――。月刊「文藝春秋」への寄稿「健康診断は宝の地図だ」(2024年8月号)が話題を呼んだ総合診療医・伊藤大介氏が、健診結果の効果的な見方、活用術を徹底解説します。
第3回は、健康診断の数値を組み合わせるとみえてくる、肝臓、腎臓のリスクについて、詳しく紹介します。
「γ-GTPが基準値を少し超えているけど、放置しても問題ないだろう」
多くの人が健康診断の結果表を受け取った時、このように特定の項目に目が行きがちだと思います。結果表のA、B、C、D、E……といった判定を見て、一喜一憂するばかりの人も多い。しかし、それでは「宝の地図」であるはずの健康診断を十分に活用したとは言えません。
私は以下の図のように健康診断の結果は「ピラミッド」にして考えることが重要だと思っています。
この連載の第1回でも説明したことですが、「ピラミッド」で考える利点は、「未病」の段階から「重篤な病気」の段階に至るまで、常に自分が「ピラミッドの何段目にいるのか」を把握できることです。
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