山崎豊子生誕100年「おばは妖怪でした」

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「豊子おばちゃん」の素顔を甥と姪の4名が語る

 山崎定樹(以下、定樹) 作家・山崎豊子は大正13(1924)年1月2日、大阪市南区船場(当時)で昆布屋・小倉屋山本を営む一族の山崎菊蔵、山崎ますのもとに生まれました。いまから100年前のことです。

 今日は姪・甥から見た山崎豊子を語ろうということですが、皆、いつも「豊子おばちゃん」と呼んでおりました。

山崎豊子氏 Ⓒ文藝春秋

 山崎豊子は一般に5人きょうだいの真ん中と言われていますが、正確には8人きょうだいでした。長兄の正三さん、2番目と3番目の2人は幼い時に亡くなり、4番目は戦死しました。5番目に私の父である山崎定彦が大正10年に生まれまして、豊子おばちゃんは6番目ということになります。その下に武、稔という弟が2人おりました。

 小八木利子(以下、利子) 私の父であるきょうだいの長兄・正三は、子どもがいなかった山本家の養子となりました。ずっと山本の両親が自分の実親だと思って育っていましたが、出征する時に初めて自分の両親が山崎であることを知ったそうです。後に創業者である山本利助を襲名して、小倉屋山本三代目社長となりました。私は小さい時はおばに似ていると言われてまして、どうして頭の中が似なかったんだろうと思っていました(笑)。

 香西順子(以下、順子) 私は三代目山本利助の次女です。いま姉が大体言ってくれましたが、私たち姉妹の下に弟・博史がいまして、定樹さんのお父さんの後を引き継いで、現在、小倉屋山本の社長をしております。今日も来るはずだったんですが、急な腰痛で欠席させていただきます。

 山崎泰(以下、泰) 私は山崎豊子の弟・武の長男になります。私の母親が大学生の時に、大学の学生課で原稿の清書をするアルバイトがあると知って応募した先が、直木賞を取る前のおばだった。そのアルバイトが縁となって武と結婚して私が生まれたわけです。武は私が小学校4年生の時に亡くなりまして、父のことはあまりはっきり覚えてはいないのですが。

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source : 文藝春秋 2024年12月号

genre : ライフ 読書 ライフスタイル