健康診断は宝の地図だ

第1回

伊藤 大介 一之江駅前ひまわり医院院長・総合診療医
ライフ ヘルス

◆「進行レベル」と「進行速度」を意識せよ

◆高齢者は血圧より心電図、眼底検査に注意

◆がん検診は低線量CT、MRIも要検討

 読者のみなさんは「健康診断には意味がない」という研究報告があることをご存じでしょうか。

 エビデンスに基づいた医療情報を発信しているイギリスの機関「Cochrane」(コクラン)は、約25万人を対象とした世界最大規模の研究を行い、「健康診断の受診は、いかなる原因の死亡リスクにも影響を与えなかった」という結果を報告しているのです。このような報告を踏まえて、医師たちの中にも「健康診断は受ける必要がない」「無駄に病気を見つけてしまうだけ」などと主張する人もいます。

 では、本当に健康診断を受けても意味がないのか。実はこの話には裏があります。コクランの論文執筆者は、健康診断に効果がでなかった理由として、以下の二つを挙げているのです。

 一つ目は、かかりつけ医が事前に病気のリスクが高い患者さんを分かっていて、健康診断が影響しなかったという理由。重要なのは二つ目の理由です。健康診断で病気のリスクが高いと分かっても、医師から提案された検査や治療に従わない人、リスクがあるのにそもそも健康診断を受けていない人が多いということです。

有料会員になると、この記事の続きをお読みいただけます。

記事もオンライン番組もすべて見放題
初月300円で今すぐ新規登録!

初回登録は初月300円

月額プラン

1ヶ月更新

1,200円/月

初回登録は初月300円
※2カ月目以降は通常価格で自動更新となります。

年額プラン

10,800円一括払い・1年更新

900円/月

1年分一括のお支払いとなります。
※トートバッグ付き

電子版+雑誌プラン

12,000円一括払い・1年更新

1,000円/月

※1年分一括のお支払いとなります
※トートバッグ付き
雑誌プランについて詳しく見る

有料会員になると…

日本を代表する各界の著名人がホンネを語る
創刊100年の雑誌「文藝春秋」の全記事、全オンライン番組が見放題!

  • 最新記事が発売前に読める
  • 毎月10本配信のオンライン番組が視聴可能
  • 編集長による記事解説ニュースレターを配信
  • 過去10年6,000本以上の記事アーカイブが読み放題
  • 電子版オリジナル記事が読める
有料会員についてもっと詳しく見る

source : 文藝春秋 2024年8月号

genre : ライフ ヘルス