地方自治ジャーナリストの葉上太郎さんが全国津々浦々を旅し、地元で力強く生きる人たちの姿をルポします。地方は決して消滅しない――
京野菜、1200年の曲がり角
「おおきに、八百屋です」
京都府京都市でも清水寺に近い東山区の繁華街。
農家の渡邉幸浩さん(45)が、玄関をのぞいては声を掛けて回る。
伊吹弘子さん(79)は、財布を握りしめて表に出た。
そこには渡邉さんの軽トラックが停めてあり、隣の山科区の畑から運んできた採れたての野菜やブドウが山盛りに積んであった。
「これ、これ。このトマトなのよ。甘くて一度食べたら、スーパーのは食べられません」
シーズンの終わりとあって小玉が多いが、味はぎゅっと詰まっている。「5人家族で食べるから」と袋いっぱいに買った。近所の人も寄って来てトマトを箱ごと買っていく。
有料会員になると、この記事の続きをお読みいただけます。
記事もオンライン番組もすべて見放題
初月300円で今すぐ新規登録!
初回登録は初月300円
月額プラン
1ヶ月更新
1,200円/月
初回登録は初月300円
※2カ月目以降は通常価格で自動更新となります。
年額プラン
10,800円一括払い・1年更新
900円/月
1年分一括のお支払いとなります。
※トートバッグ付き
有料会員になると…
日本を代表する各界の著名人がホンネを語る
創刊100年の雑誌「文藝春秋」の全記事、全オンライン番組が見放題!
- 最新記事が発売前に読める
- 毎月10本配信のオンライン番組が視聴可能
- 編集長による記事解説ニュースレターを配信
- 過去10年6,000本以上の記事アーカイブが読み放題
- 電子版オリジナル記事が読める
source : 文藝春秋 2019年10月号