ホリデーシーズンに贈り物をするのが常識の昨今、差をつけるなら物語が必要だ。「あなたのために」という視点にこそ価値が宿る。あの人が喜ぶものとは。
※特に表記のないサイズは縦×横×マチを表します
手にするたびに心躍る時間をあの人へ
贈り物をするという行為は誠に難しい。事前に相手に相談をせずにサプライズで、ともなれば尚のことだ。相手を喜ばせたいという思いに胸を弾ませながらも、期待を裏切ってはならないというプレッシャーを自らに課す。これを楽しめるか、厄介と捉えるか――。
ギフトを巡る物語として思い浮かぶ、小説『賢者の贈り物』はアメリカ文学史上、屈指の短編の名手といわれるオー・ヘンリーによる名作だ。貧しい夫婦がお互いのクリスマスプレゼントを買うために自身の大切なものを売り、プレゼントが無駄になるというストーリー。妻は自慢の長い髪を切って売り、そのお金で夫のためにプラチナの時計チェーンを購入。夫は家宝の金の懐中時計を売り、妻のためにべっ甲の髪飾りを買う。読み進めるうちにもどかしさを感じる。だが、これは悲劇では決してない。自身の大切なものを手放してでも相手を喜ばせたいという純粋な気持ちを描いた、ふたりの賢者による愛の物語なのだ。
ホリデーシーズン到来のいま、現代の“賢者”になれるか、否か。大切な人のために思案する時間から、あなたも試されている。
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source : 文藝春秋 2024年12月号