大腸・小腸 筋力強化で排便改善を

上原 圭 日本医科大学消化器外科講師
ライフ ライフスタイル 医療 ヘルス

 口から肛門まで続く消化管は、食道と胃、十二指腸から成る「上部消化管」と、小腸、大腸(結腸、直腸)で構成される「下部消化管」に分けられます。上部消化管では食べ物を溶かすこと、下部消化管ではその栄養や水分の吸収が主な役割です。

 成人の平均的な長さで見ると、大腸の約1.5メートルに対して小腸は6〜7メートルもあり、人のお腹の中は「小腸で埋め尽くされている」と言っても過言ではないでしょう。

上原圭医師

 手術で大腸をすべて摘出すると、便の水分が吸収できなくなるので水様便になってしまいますが、それでも生きてはいけます。

 ところが小腸は、水分ではなく「栄養」を吸収するという重大な役割を担っています。大量に切除して残りが1メートル以下になると、栄養を吸収できなくなって生きていけなくなるのです。

 このように、人が生きていくうえでの重要度で見ると、小腸は大腸に勝る存在とされてきました。ところが近年、「老化」という視点で腸を見ると、大腸の存在感が増してきているのです。そのことを象徴する疾患があります。「憩室」です。

 大腸の壁が薄くなり、腸管の外側に向けて袋状に飛び出すこの病気、バリウム検査をすると大腸の外側に「ぶどう」のような丸い袋が膨らんでいるのが見て取れます。老化と肥満が原因とされますが、特に老化と憩室の関係性は強く、その証拠に子どもに憩室が起きるのは非常にまれなことです。

 憩室に自覚症状は少ないものの、袋の中に便が長時間溜まると「憩室炎」という炎症を引き起こし、痛みや発熱を伴うことになります。

有料会員になると、この記事の続きをお読みいただけます。

記事もオンライン番組もすべて見放題
今だけ年額プラン50%OFF!

キャンペーン終了まで時間

月額プラン

初回登録は初月300円・1ヶ月更新

1,200円/月

初回登録は初月300円
※2カ月目以降は通常価格で自動更新となります。

オススメ! 期間限定

年額プラン

10,800円一括払い・1年更新

450円/月

定価10,800円のところ、
2025/1/6㊊正午まで初年度5,400円
1年分一括のお支払いとなります。
※トートバッグ付き

電子版+雑誌プラン

12,000円一括払い・1年更新

1,000円/月

※1年分一括のお支払いとなります
※トートバッグ付き
雑誌プランについて詳しく見る

有料会員になると…

日本を代表する各界の著名人がホンネを語る
創刊100年の雑誌「文藝春秋」の全記事、全オンライン番組が見放題!

  • 最新記事が発売前に読める
  • 毎月10本配信のオンライン番組が視聴可能
  • 編集長による記事解説ニュースレターを配信
  • 過去10年6,000本以上の記事アーカイブが読み放題
  • 電子版オリジナル記事が読める
有料会員についてもっと詳しく見る

source : 文藝春秋 2024年12月号

genre : ライフ ライフスタイル 医療 ヘルス