本屋さんで新刊書を手に取る。表紙を眺め、帯の文句に目をやってから、さてどうします?
いそいそと最後のほうを開けて、あとがきを読み始めるのでは? そういうひとは多いはず。ぼくもその仲間です。
あとがきというのはありがたいものだ。とりわけ、翻訳書の場合である。カタカナ名前の著者による、とっつきの悪そうな本だって、あとがきのおかげでぐっと距離が狭まる。
そこに凝縮された情報を知るだけで得をした気分になる。これは面白そうだと感じたなら、もう読書が始まったようなものだ。立ち読みしたあとがきに促されて、本を手にレジに向かうこともしばしばだ。
たとえばこのあいだ出会ったのは、クッツェーの『その国の奥で』(くぼたのぞみ訳)という本。南アフリカのノーベル賞作家だとは知っているが、新作だろうか? さっそくあとがきのページを開く。
「べらぼうな妄想小説である。」
いきなりそんな断言が飛び込んでくる。これは読まずにはいられない。
有料会員になると、この記事の続きをお読みいただけます。
記事もオンライン番組もすべて見放題
今だけ年額プラン50%OFF!
月額プラン
初回登録は初月300円・1ヶ月更新
1,200円/月
初回登録は初月300円
※2カ月目以降は通常価格で自動更新となります。
オススメ! 期間限定
年額プラン
10,800円一括払い・1年更新
450円/月
定価10,800円のところ、
2025/1/6㊊正午まで初年度5,400円
1年分一括のお支払いとなります。
※トートバッグ付き
有料会員になると…
日本を代表する各界の著名人がホンネを語る
創刊100年の雑誌「文藝春秋」の全記事、全オンライン番組が見放題!
- 最新記事が発売前に読める
- 毎月10本配信のオンライン番組が視聴可能
- 編集長による記事解説ニュースレターを配信
- 過去10年6,000本以上の記事アーカイブが読み放題
- 電子版オリジナル記事が読める
source : 文藝春秋 2025年1月号