昨年、ロサンゼルス・ドジャース移籍1年目にして、早くもワールドシリーズ制覇を成し遂げた大谷翔平選手。彼がまだ北海道日本ハムファイターズに所属していた2016年に、日本一を勝ち取るまでを追ったノンフィクション連載「No time for doubt 大谷翔平と2016年のファイターズ」が、2025年3月号からスタートしました。

筆者は、大宅壮一ノンフィクション賞を受賞した『嫌われた監督 落合博満は中日をどう変えたのか』、『いまだ成らず 羽生善治の譜』などの作品で知られる鈴木忠平さんです。
企画が持ち上がったのは2024年9月2日、鈴木さんと新宿のもつ焼き屋で食事をしている時のことでした。いい感じで酔いが回ってきたころ、鈴木さんがこう言ったのです。
「大谷選手の2016年を取材したら面白いと思うんだよね。あの年、DHを解除した本格的な二刀流をスタートさせ、当時プロ野球最速の165㎞も記録した。なによりこの年は、ファイターズが日本一になっているのが大きい」
実は大谷選手、幼少期から個人ではとてつもない成績を残してきましたが、「優勝」は掴み取ることができていませんでした。甲子園には2年夏、3年春に出場したものの、初戦敗退。それゆえ、メディアから目標を聞かれたときの答えからは、自身の成績のことはもちろん、チームが頂点に立つということを重視していることが窺えるのです。たとえば2016年のシーズン前、記者から今年の目標について問われた大谷選手は、こんなことを言っていました。
「20勝&20本です。20勝は軽く言える数字ではないですし、1年目じゃ言えなかった。20勝して20本打てば、日本一にも近づくんじゃないかと思いますし、そう言って喜んでもらえるなら言いますよ」
大谷選手はこの年、投手として10勝をあげ、打者として22本塁打を放ち、NPB史上初となる、投手と指名打者の両部門でベストナインをダブル受賞。リーグMVPにも選出され、チームを日本一へと導きました。そして鈴木さんはこの優勝の瞬間を、マツダスタジアムで取材しています。
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