血管年齢が全国平均より10歳若いのはなぜか
京都府の最北端、山陰海岸の景勝を望み、海の京都と呼ばれる京丹後市はいま、日本有数の“百寿の町”として世界の注目を集めている。
京丹後市によると、2024年時点で人口に占める100歳以上の高齢者(百寿者=センテナリアン)の割合は、全国平均のなんと約3倍。百寿者は114人を数え、人口10万人あたり約223人。これは、都道府県別で最も百寿者率が高い島根県の約160人を上回り、全国平均の約73人を圧倒する、驚くべき数字である(2024年1月時点)。
京丹後市は、「男性史上最長寿」のギネス記録を持つ木村次郎右衞門さん(2013年に116歳で逝去)が生涯を過ごした町でもある。明治30年にこの地に生まれ、20歳から45年間、地元郵便局に勤務。定年後は90歳過ぎまで農業を続けた。
「一生はたった1日の延長なり」を人生訓とし、体操や新聞購読などの日課を伴う規則正しい生活を全うした次郎右衞門さんの生涯は、百寿の町の象徴といえる。

京丹後市の人びとは、なぜこうも長生きなのだろうか。
京都府立医科大学の研究チームは2017年から65歳以上の市民1000人を対象に“長寿の秘訣”を探る「京丹後長寿コホート研究」を開始。協力者は2年に1度、地元の病院で健康診断を受診してきた。2〜3時間を要する検査では、身体測定からCT検査まで、全身を隈なく調べ上げる。血圧や血管年齢、腸内細菌叢、骨密度や歯の本数、脳機能など、約2000にもわたる項目を追跡し、データを蓄積している。
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source : 文藝春秋 2025年4月号