読者からのお便り 2025年6月号

ニュース オピニオン

創刊100周年の雑誌『文藝春秋』での名物コーナー「三人の卓子」。読者の皆様からの記事への感想を募集・掲載しています。このページの末尾にある入力フォームからも、ご投稿いただけます。

自分の国は自分で守る

「非核三原則」は画餅にすぎない。5月号、エマニュエル・トッド氏の『米欧の分裂と日本の選択』を読んで、あらためてそう思った。

 世界唯一の戦争被爆国である日本は、核攻撃の惨劇を繰り返させないために「非核三原則」を国是とし、核兵器全廃を保有国に訴える立場にある。しかし現実は、ロシアや中国、北朝鮮の核の脅威から守ってもらうことを、アメリカの「核の傘」に期待している。つまり、非核三原則を標榜しながら核の威力を求め、しかもそれを他国任せにしているわけだ。そんな大きな矛盾が、何かにつけてアメリカに足元を見られ、また、先進国と肩を並べてもどこか煮え切らない半独立国のような立場にとどまっている原因ではないだろうか。

 トランプ米大統領は在日米軍の強化計画の中止を検討しており、過去には「撤退」をちらつかせ、日本が負担する駐留費を引き上げようと試みたこともあった。私はいっそのこと、撤退を視野に協議を進めてみたらどうかと思う。そうすれば、日本がアメリカ本土の防衛に果たす役割が浮き彫りになるはずだ。

 トッド氏が説くように、アメリカが不確実性の高い国になった今、核武装を含め、自分の国は自分で守るという当たり前のことを真剣に考えるときが来ているように感じる。いつまでもアメリカの陰からロシアや中国の顔色を窺うのではなく、軍事、経済の両面において、自主防衛の気概を持って正面から各国と向き合っていくべきだ。

(埼玉県 安藤英樹)

▶30年以上前、初来日の際、トッド氏は自ら希望して広島を訪れています。このことと日本核武装論はトッド氏の中で矛盾していません。広島と長崎の悲劇は米国が核を独占していた時期に起きたという認識だからです。時代が激変する今、核武装も正面から議論すべきだと思います。(担当編集より)

有料会員になると、この記事の続きをお読みいただけます。

記事もオンライン番組もすべて見放題
初月300円で今すぐ新規登録!

初回登録は初月300円

月額プラン

初回登録は初月300円・1ヶ月更新

1,200円/月

初回登録は初月300円
※2カ月目以降は通常価格で自動更新となります。

年額プラン

10,800円一括払い・1年更新

900円/月

1年分一括のお支払いとなります。
※トートバッグ付き

電子版+雑誌プラン

18,000円一括払い・1年更新

1,500円/月

※1年分一括のお支払いとなります
※トートバッグ付き

有料会員になると…

日本を代表する各界の著名人がホンネを語る
創刊100年の雑誌「文藝春秋」の全記事が読み放題!

  • 最新記事が発売前に読める
  • 編集長による記事解説ニュースレターを配信
  • 過去10年7,000本以上の記事アーカイブが読み放題
  • 塩野七生・藤原正彦…「名物連載」も一気に読める
  • 電子版オリジナル記事が読める
有料会員についてもっと詳しく見る

source : 文藝春秋 2025年6月号

genre : ニュース オピニオン