失敗しない経営のヒントは日本史にあった
入山 最近、企業の後継者問題が度々話題になっています。私は中堅・大企業の経営者と話をする機会が多いのですが、「次の社長候補がいない」と嘆いている方が非常に多い。「日本三大経営者」に数えられるファーストリテイリングの柳井正会長、ソフトバンクの孫正義会長も、いずれも明確な後継者を指名できていません。
また、性加害問題で揺れるフジテレビも、様々な問題点が指摘されていますが、根底には後継者を育てきれず、長きにわたる日枝久会長の一強体制を許したことがあるように思います。今年4月に公表された統計によると、2024年度に後継者不足で廃業した企業は日本全国で500社を超え、過去2番目の高水準となりました。
本郷 あらゆる組織にとって、「誰に任せるか」というのは常に最大の課題ですね。
入山 本郷先生の『東大生に教える日本史』(文春新書)を拝読しましたが、この中にも、跡継ぎをめぐる人間模様がたびたび登場しますね。後継者問題は、リーダーにとって、古から続く普遍的な課題なのだと改めて実感しました。
本郷 上杉謙信、武田信玄など、後継者選びに失敗した武将は数多くいます。中でも「なぜ?」と思うような失敗をしたのが、豊臣秀吉です。
秀吉には「家」の感覚がなかった
入山 秀吉は、まだ6歳だった息子の秀頼に家督を継がせたことで知られていますよね。結果、徳川家康に政権を奪われ、豊臣政権は短命に終わることになりました。
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source : 文藝春秋 2025年6月号