「オタク・ウォー」としての香港デモ
本来は自由の街である香港は、日本に匹敵するアジア有数の趣味人
Twitterなどで多数見られる、日本語を用いてデモ隊の主張を発信する大量の「文宣組(宣伝部隊)」にも、アニメやゲームで日本語を覚えたオタクがかなり多く含まれている。また、雨傘革命や今回のデモでは非常に質の高い告知イラストや宣伝イラストが大量にネット上に流れているが、これらも「絵師」や「フォトショ職人」が個人的におこなったもののようだ。
9月上旬には、有志のアーティストらによって通称「香港国歌」なるものが作られたが(『願栄光帰香港』)、こちらもまたたく間に、さらなる有志を通じてボーカロイドが歌う日本語版が作成された。
オタクが持つ専門知識や特殊技能が、
もちろんミリタリーマニアやサバゲー愛好者も、
趣味者革命、ここにあり。なんとも香港らしいデモの側面であると言っていい。
※本稿の執筆・取材には軍事ライターの石動竜仁氏(
写真=安田峰俊
「文藝春秋」10月号では、安田峰俊氏の香港デモ現地フルレポートを掲載している。