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――藤岡流の子育ては厳しいですか?

真威人くん 世間的には怖いイメージがあると思いますが、やさしいが9割のお父さんです。怒る理由は決まっていて、例えばお父さんが料理をしているときはたいてい兄妹の誰かが手伝うんですけど、楽しくなってきてふざけたりしちゃうんです。そうすると、「一つのことに集中しろ!」と一喝。「真剣にやっているときは目の前にあるものに集中して取り組むこと」と厳しく言われます。「でもそうじゃないときは楽にしていいから」とも言ってくれますが。

天音ちゃん 怒るというより諭す感じなんです。「ちゃんと目を見て話を聞きなさい」って。先生みたいな感じです。お父さんは一度話し始めると、永遠に話し続けていられるくらい体験や知識が豊富なので、話したいことがあるんです。スイッチが入ると、平均1時間くらいで、体感3、4時間くらいは話しています(笑)。
でも、妹の舞衣には明らかに甘いんです。舞衣が何か怒られることをしても「まだ小っちゃいから」とか、「舞衣はまだ小学生なんだぞ」って甘やかされています。

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舞衣ちゃんは天真爛漫に場を盛り上げてくれた ©橋本篤/文藝春秋

カラフルなグミを食べていたら始まったお説教

舞衣ちゃん そんなことないですよ! この前なんて、青とかピンクとか黄色とかのカラフルなグミをボトルで買って食べていたら、パパが「そんな体に悪そうな物をなんで食べるんだ」って。「美味しいんだよ。パパも食べてみて」ってあげようとしても「体に悪い成分は乳化剤や……」と語り始めちゃって。最後には「ちゃんと裏の表示を見て食べなさい。体は求めてない」と怒られちゃいました。

真威人くん 藤岡家では“食”は最も大事にしていることなんです。食べ物は体の中に入るものなので、なるべく外食は避けて、お父さんが吟味した食材を「俺が作ってやる」と言ってお母さんと一緒に調理して、栄養満点で野菜たっぷりの料理をいつも作ってくれます。お水に関しても水道水じゃなくて、天然水にするなど、些細なことにも気を遣っています。

2016年に公開された映画「仮面ライダー1号」撮影時のオフショット。45年後の初代仮面ライダー・藤岡弘、本人が単独主演し、生アクションを披露した ©石森プロ・東映

――藤岡弘、さんは柔道三段、刀道教士七段、小太刀護身道四段の有段者ですよね。武道家ならではの教えはありましたか。

天音ちゃん 学校から歩いて帰ってくるので、「上下左右前後、全部見ろ!」っていつも言われています。「常に不審な人が付いてきてないか意識を持って歩きなさい」って。でも上下左右前後を見ながら歩いていたら、逆に「変な人だな……」っていう目で見られたことがありました(笑)。あと、トイレも要注意だよね。

舞衣ちゃん そうだよね。藤岡家では外出先で「トイレは絶対に1人で行っちゃダメ」なんです。何かあったらどちらかが助けを呼びに行けるように、必ず姉妹揃って行くようにしています。特に海外はそうしています。

天音ちゃんはみんなの発言に優しく耳を傾けていた ©橋本篤/文藝春秋

 

真威人くん 僕は「使い方を学べ」と、中学のときにお父さんからナイフをもらいました。ナイフは危険な凶器だというイメージですが、「正しく使えば便利な道具になるんだ」と、キャンプなどで使い方を教えてくれます。

天音ちゃん 私たちは笛をもらいました(笑)。自衛隊も使っている笛で、危険なときにピーッと吹いて鳴らすんです。外に出るときはいつも持ち歩いていて、海外に行く時は首にぶら下げています。