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 布やソーインググッズを多く扱う店舗が集中する地域は、それらの店がほぼすべてDIYマスク素材屋や製作屋に早変わりしている。

布を扱うお店。ミシンで手作りのマスクを縫っている
こちらが完成した手作りマスクだ

 このハンドメイドマスクは2層になっており、真ん中の部分にフィルターを入れて使う……らしい。ウイルスへの防御効果は限定的だと思うが、飛沫感染くらいは防げそうだ。

店頭で売られている色とりどりの手作りマスク
手作りマスクは2層になっており、真ん中の部分にフィルターを入れて使うそうだ

 価格は20~60HK$(約300円~900円)程度である。おばちゃんのハンドメイドだけに顔へのフィット感はかなり良い場合が多く、第三国の怪しい安物サージカルマスクを買うくらいなら、結果的にはこちらのほうが有用かもしれない。

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香港では学校が休みになっている。布屋の子どももお店を手伝っている

 香港ではコロナ流行以降は学校が休みになっているので、布屋のお嬢ちゃんも店を手伝っていた。

 また、路上では別のおばちゃんたちがマスク製作中。彼女らによれば「玉ねぎを置いておけば自分の周囲の空気が消毒される」とのことだ。

別のお店でもマスクを作っていた。テーブルにはたまねぎが……周囲のウイルスを殺すらしい

ただのマスクでは不安だという方には……

 また、飛沫感染を防ぐためにこうしたものも売られている。これなら自分の顔に向けて直接くしゃみをされても安心だ……。

顔全体を覆うビニール製の“フルフェイスマスク”も
日本系のサンバイザーに“フルフェイスマスク”がついた製品のようだ

 完全装備を行った場合、下のおばちゃんのようになる。

完全装備を行ったおばちゃん。飛沫感染を防ぐ気合が感じられる

 香港の状況はユニークで、むしろマスク着用が過剰な状態(テレビ番組の出演者がマスクをつけっぱなしなど)ともいえるのだが、備えないよりは備えたほうがずっといいのも確かだろう。特に香港の場合、過去にSARSと鳥インフルエンザも経験しているので、各人ができる範囲で過剰なくらいに準備したほうがいいという共通認識が存在する。

 アジア全域を覆いつつある未曾有の災難とどう戦うか。答えは見えないが、商売っ気と遊び心さえあれば、謎のウイルスに対する恐怖心はすこし薄れるかもしれない。

写真=安田峰俊