昭和34年(1959年)創刊の総合週刊誌「週刊文春」の紹介サイトです。最新号やバックナンバーから、いくつか記事を掲載していきます。各号の目次や定期購読のご案内も掲載しています。

無化調ブームから約25年…ラーメンの「ウンチク書き」が増えた原因となった“ある食材”を知っていますか?

『教養としてのラーメン ジャンル、お店の系譜、進化、ビジネス――50の麺論』より #2

2022/02/16

つけ麺を食べるなら覚えておきたいポイント

 蕎麦でもうどんでも、麺好きはもり蕎麦やせいろ、ざるうどんなど、つけ汁につけて食べる形を好みますね。うどんなら、出汁醬油をかけ回すだけだったり。温かい出汁に浸っていると麺の状態が変わるので、啜り込む食感やコシ=歯ごたえを楽しむ場合、やはり麺が別になっているほうが集中できます。

 つけ麺も同じです。水で締めることによってコシが強くなるので、麺の風味や食感をよりはっきりと楽しめます。どのくらい汁につけるかなど、ラーメンに比べて食べ方の自由度も大きいし、麺も伸びません。麺の量もラーメンより多めです。

 つけ麺はつけ汁がぬるくなっていくから苦手だ、という人がいます。ですが、だからこそたくさんの麺を啜り込んでもヤケドしないし、口いっぱいに頰張れます。そもそも蕎麦もうどんも熱い汁につけるものがあり、それらもダメということになってしまいますね。

 ただ、つけ麺のつけ汁には油脂が含まれるので、それが冷めてしまうのが苦手、というのは理解できます。そんな人に向いているのが「あつもり」です。茹でて一度締めた麺を、再び湯に通して温め直してくれるもの(やっていない店もあります)。寒い時には重宝しますが、麺の表面が溶けたりして食感は変わります。メニューに書いていなければ「あつもりできますか?」と訊いてみましょう。変わったところでは、食べている途中で、スープに入れる焼き石を席まで持ってきてくれたり、卓上に設置したIHヒーターで再加熱できる店もあります。

「スープ割り」は、残ったつけ汁にスープを足して、飲みやすくするもの。美味しければ割らずに飲んでしまってもかまいませんが、つけ麺のつけ汁は、タレが多く、味付けが濃いめ。割ってもらうことで、スープ本来の味、風味を堪能できる。「スープ割りお願いします」と言えば、ほとんどのお店でやってくれます。

 基本的につけ汁と同じスープですが、たとえば濃厚スープのお店では、あっさりした魚介出汁の割りスープだったりもします。店員さんに頼むと急須で提供してくれたり、据え置きポットが置いてあるお店も。また、わざわざレンジで温め直したり薬味類を追加してくれるお店もあります。かつては「スープ割り」なんて呼び方もなく、器を厨房へ持って行くと、柄杓でスープを入れてくれたものでした。いずれにしても貴重なスープをサービスで提供してくれているのですから、わざわざ頼んでおいて残すのだけは避けたいですね。

z