ビャンビャン麺という中国の麺料理をご存知だろうか? 中国陝西省を中心に食べられており、2~5cmもある幅広麺と57画(諸説あり)もある複雑な漢字が特徴的な名物麺料理だ。

 近年、そんなビャンビャン麺なる料理の注目度が日本でも急上昇している。2019年頃から首都圏を中心にビャンビャン麺を提供する中華料理店が増え始め、2020年には「セブン・イレブン」、2021年には「バーミヤン」、「カルディ」でも販売され話題となった(セブンイレブンとバーミヤンでは現在販売終了している)。

 そして2022年3月には「日清食品」から冷凍ビャンビャン麺、4月にはサッポロ一番などでもお馴染みの「サンヨー食品」からはカップ麺スタイルのビャンビャン麺と、相次いで大手メーカーからビャンビャン麺が発売されたのだ。

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 ビャンビャン麺とはいったいどんな料理なのか、またその味はいかなるものか解説する。

(筆者提供)

ビャンビャン麺とは?

 ビャンビャン麺(biang biang麺)とは中国陝西省の西安を中心に食べられている名物料理。群馬県桐生市の郷土料理であるひもかわうどんのような幅広麺なのが特徴で、店にもよるが、麺の幅は2~5cmほどにもなる。

 ビャンビャン麺という名称は刀削麺と同じく麺の種類を表しており、味付けは中国でも様々だ。激辛スープに入った麻辣ビャンビャン麺や、汁無し麺にトマトと卵がのったもの、肉味噌がかかったものなど何種類もある。

 定番なのは茹でたビャンビャン麺に唐辛子粉や醤油、酢などをかけ、さらに上から熱した油をかける油潑麺(ヨウポー麺)と呼ばれるスタイル。例えるなら西安式油そばといったところだろう。

神保町「西安麺荘 秦唐記」のヨウポー麺(筆者提供)
高田馬場「西安ビャンビャン麺 小高姉」にあるヨウポー麺の解説(筆者提供)

麺の太さよりもさらに特徴的なのがビャンビャン麺のフォントだ。