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優劣はっきりついたノイズキャンセリングの性能

 ではノイズキャンセリングの性能について見ていきましょう。この3製品、装着した時点でノイズキャンセリングがオンになっており、電車内で車内放送を聞いたり、誰かと会話する場合などにはオフにすることで、イヤホンをしたまま外からの音を通過させることができます。オフの状態だと通常のイヤホンと同等と考えればよいでしょう。

 さて結論から言ってしまうと、ノイズキャンセリングの効果が圧倒的に高いのはソニーWF-1000XM4です。他の2製品だとノイズキャンセリングをオンにしても聞こえるキーボードのタイプ音や、扇風機の風切り音も、ほぼ消えてしまいます。ノイズを完全カットした無音状態が「0」、外の音がそのまま聞こえる状態が「10」とすれば、オンとオフで「1」と「9」を切り替えられるイメージです。

 ただしあまりに効果が強力すぎて、電話の呼び出し音を聞き逃したり、家族が話し掛けているのに気づかないこともしばしばです。さらには家族が自宅を出入りする時も、扉の開け閉めの振動音しか伝わって来ず、逆にビクッとなることもあります。周りの気配を感じながら作業する場合のために、「1」と「9」の中間に相当するモードがあれば……と思うこともしばしばです。

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 AirPods ProやEcho Budsは、エアコンの運転音などはカットしますが、キーボードのタイプ音や、扇風機の羽根の風切り音はある程度聞こえたままになります。そのぶん驚きには欠けますが、耳障りな音をカットしつつも生活音は残すという意味では、こちらのほうが王道かもしれません。ノイズキャンセリングオン時の効果はAirPods Proが「2」でEcho Budsは「3」、オフ時はそれぞれ「7」「8」といったところでしょうか。

 全体的には、ノイズキャンセリングの効果は、ソニーWF-1000XM4>AirPods Pro>Echo Budsという序列で間違いないのですが、音の種類によっては序列が入れ替わる場合もあります。例えば扉を開け閉めする振動音などは、Echo Budsはほかの2製品に比べて、より強力にカットするなど、部分的にはほかの2製品を上回ると感じられる部分もあります。こうした音の種類によっても傾向が異なることは、知っておきたいところです。

左から、AirPods Pro、ソニーWF-1000XM4、Echo Buds。いずれも工夫が凝らされた形状であることが分かります