1.9万人の人員削減を発表した米アクセンチュアをはじめ、コンサルティング業界にもリストラの嵐が吹き荒れている。それでも「23年卒東大・京大就活人気ランキング」では、人気企業トップ10のうち5社をコンサルティング会社が占めるなど、就活生からの視線は熱い。『コンサルティング会社 完全サバイバルマニュアル』が話題のメン獄さんが、不確実性の時代を生き残る秘訣を語った。

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――マッキンゼー・アンド・カンパニーが約2000人の削減を計画中など、大手コンサルティング会社のリストラのニュースが相次いでいますね。

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メン獄 本の発売とあわせて、本当に業界のサバイバルがニュースになるとは思ってもみませんでした。GoogleやAmazonなどメガテック企業で進むほどのリストラの規模ではありませんが、AIが急速に発展している今、コンサルティング会社も対岸の火事ではありません。

 ここ10年、コンサルティング業界は最新テクノロジーを用いた経営の効率化だけでなく、従来広告代理店の領域だったクリエイティブにまで踏み込んだりと、守備範囲を拡大してきた。増え続ける仕事に対して、プロジェクトのコア人材となりえる中核メンバーは常に“人手不足”でした。

©AFLO

 一方、女性誌などで「私らしい」働き方ができる華やかな職種としてよくコンサルタントが取り上げられていたイメージもあり、就活中の学生たちにとっても、キャリアを積む場所として大変魅力的になったというのが、ここ10年の流れだったと思います。

 コロナ禍もコンサルティング業界にとってはある種の追い風で、リモートワークという新しいワークスタイルへと移行したい大手企業の職場改革の需要を取り込み、業界は拡張し続けました。

 ところが、OpenAIをはじめとする昨今の技術革新により、「ちょっとした調べ物をする」「資料の体裁を整える」といった、これまでコンサルタントになりたてのスタッフが多く担っていた“高い付加価値はないけれどもボリュームのある仕事”が大幅にカットされかねない。 凄まじいスピードで進化する技術・変化する需要にうまく適応できなければ、他の業種と同様、コンサルタントもサバイブできない時代は始まっているのです。

――ずばり結論からいうと、コンサル業界を生き残れる人ってどんな人でしょう?

メン獄 まず大前提として、「新しいことが好きで勉強が苦にならない」人です。コンサルタントは新しい仕事であっても2週間程度で、そのプロジェクトで今何をしているのか、自分は何をすべきなのかを走りながら考え、自走できる状態まで持っていくスピード感が求められます。未知の領域に抵抗感を持たずに「まずやってみる」「さわってみて感触を掴む」「応用の方向性を考える」ことができる人は、今後進化する新しい技術を自分のものにし、さらに仕事の武器を増やしていくことができる。