六角形の窓からは景色をワイドに眺められる
スタンダードシートとプレミアムシートは料金の差が小さく、浅草~日光間と浅草~鬼怒川温泉間のどちらも差額は580円。座席の質に比べて料金差は小さく、プレミアムシートのほうがお買い得と言えそうだ。ボックスシートの特別席料金は400円で、スタンダードシート特急料金とは別に加算される。
1号車と6号車の六角形の窓について、私は視界が狭くなるかと心配だった。しかし内側から見れば問題なし。コックピットスイートもコックピットラウンジも、室内全体を見渡せるため景色をワイドに眺められる。個室にとってもプライベート感を演出していた。
2号車から5号車は座席1列に四角い窓1枚だ。先代スペーシアは2列につき大窓1枚だったから、向かい合わせで大きな窓を楽しめたけれど、座席の取りようによっては窓の間の柱に視界を遮られる。スペーシアXの窓の面積は小さくなったけれども、どの列も1つの窓が均等に割り当てられる。
行きも帰りも日光の食を楽しめる「GOEN CAFE SPACIA X」
1号車のカフェカウンター「GOEN CAFE SPACIA X」はオリジナルビールや全国から取り寄せたクラフトビール、栃木県の老舗酒造による純米吟醸酒を提供する。ソフトドリンクは栃木県鹿沼市に本店がある「日光珈琲」と共同開発したオリジナル珈琲が2種類。「日光珈琲」が製造するクラフトコーラがある。フードメニューはクラフトビールに合うアペタイザーとスナック、珈琲に合わせたスイーツが用意されている。
アペタイザーはポークジャーキー、鱒のスモーク、鱒とらっきょうのリエットだ。日光のフレンチレストラン「ジルエット」が担当した。ビールと日本酒のお供なら「おつまみ」でいいと思うけれど、前菜という意味の「アペタイザー」という言葉にこだわりがある。日光行きが東武日光駅に到着する時間帯はランチタイムやディナータイムの直前だ。これから始まる日光の上質な食事をメインディッシュと見立てたから「アペタイザー」というわけだ。
浅草行きはランチには遅く、ディナーには少し早い時間帯に到着する。カフェタイムとして過ごし、珈琲と日光のスイーツを楽しみつつ、帰路も日光からの旅の余韻にひたってほしい、という願いを込めている。日光の老舗、三ツ山羊羹本舗もオリジナルパッケージで一口羊羹を提供した。日光田母沢御用邸を訪れる皇族方にも献上されてきた伝統の味だ。