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専門家を驚かせるほどの“博学さ”
同番組を語る際によく指摘されるのは、タモリの“博学さ”である。
番組では、地球科学や歴史学など、さまざまな分野の専門家が複数の角度からその場所について掘り下げていく。で、専門家たちはタモリにさまざまな質問を投げかけるわけだが、タモリはその質問に結構な頻度で正解してしまう。
特に、地球科学の分野が好きなタモリは、断層や石、地形などに関する問いにめっぽう強い。案内人の説明を先回りして、タモリが解説しはじめることさえある。そんなタモリの姿に、「私の仕事がなくなる」と嘆く案内人もいた。
そんな地球誕生からの歴史に強い好奇心をもち、知識も豊富なタモリが好きなのは、高低差や段差である。だから、それらについて語りはじめると、なんだか一層知的な雰囲気を帯びる。
「奈良の発展は段差ですよ。思想的にも段差ですね。段差の思想ですよ」(『ブラタモリ』2015年6月27日)
ただ、実際のところ、タモリが自身の知識を披露する場面は、45分程度の放送時間のなかでそれほど多いわけではない。案内人がある程度のところまでヒントを出しておいて、ほぼ答えが出ているような段階になってからタモリが答えるといった場面も多い。
もちろん、ヒントもふまえて正解を導き出せるのはある程度の知識があってこそなわけだが、どちらにしても、番組の放送時間の大半を占めるのは、当然ながら案内人による専門的な知見にもとづく説明である。
では、そのときタモリは何をしているのか。解説に驚いたり、おもしろがったりしているのだ。