4月20日~21日にかけて、今年で30周年を迎える東京のプライドフェスティバル&プライドパレード「東京レインボープライド(TRP)」が開催されました。
テーマ「変わるまで、あきらめない。」のもと、のべ27万人が参加し、プライドパレードには1万5000人が参加し、LGBTQ+当事者並びにその支援者(Ally)と共に、「“性”と“生”の多様性」を祝福し、「つながる場」となりました。
「PRIDE」は英語で「誇り」を意味しますが、多くの国で「セクシュアルマイノリティのパレード」や「パレード前後のイベント」を指す言葉として認知されています。セクシュアルマイノリティが差別と迫害に抵抗した最初の出来事として広く知られる1969年6月ニューヨークの「ストーンウォール事件」を記念して、多くの国でプライドパレードが行われる6月は「プライドマンス」と呼ばれています。
TRPが開催される春~初夏、そして6月は、多様な“性”と“生”への誇りを表現し祝福する期間です。この時期に触れておきたい本を「本の話」編集部が10冊セレクト、今回はその前編です。
1 『元女子高生、パパになる』杉山文野
「東京レインボープライド(TRP)」の共同代表を務める杉山文野さんの半生記。女性の体で生まれましたが、男性という性自認を持ち、トランスジェンダーであることを明かして男性として暮らしています。
笑顔でイベント運営や飲食店の経営、LGBTQ+の啓発活動などを行う杉山さんですが、そんな彼にも「30歳になったら死のう」と悩み苦しんだ日々がありました。パートナーの女性との間に子どもを儲け、ゲイの親友とともに三人親で子育てする杉山さんが、迷いながらも力強く前進し、「父」となるまでのノンフィクション。
読んでいくうちに、自分の価値観が揺さぶられていくことが体感できる一冊です。