ロッテの始球式で「おじま〜」「児嶋だよ!」
―― アンジャッシュのお二人は今、それぞれの個性でも活躍されています。児嶋さんがネタ以外のバラエティー番組で手ごたえをつかみ始めたのっていつ頃だったんですか。
児嶋 それはもう、芸人仲間から楽屋ノリのままテレビでいじってもらうようになってからです。渡部もそうですけど、古坂大魔王とか、X-GUNの西尾さんとか、おぎやはぎとか、アンタッチャブルとかからは、昔からあんな感じでいじられてたんですよ。それに俺もいちいち「うるさいなぁ」とか「おいっ!」みたいなのをやってて。本当は正統派のお笑いでいきたかったんだけど(笑)。
―― ネタは正統派ですからね。
児嶋 でも、だんだんメッキ剥がれてくるじゃないですか。素の自分は、正統派のスマートなコントをするような人間じゃないので。いじられがウケ始めると、そこからさんまさんとか、ダウンタウンさんとか、それこそ中居(正広)さんとかも、そのノリでいじってくださる。それでやっとテレビの中に居場所が見つかったんです。
―― 「児嶋だよ!」はもう、市民権を得てます。
児嶋 いつだったか、千葉ロッテの始球式に呼んでいただいたことがあるんですよ。そしたら観客席から「おじま~!」って声がかかって、「児嶋だよ!」ってマウンドで(笑)。最近だと台本にも「児嶋だよ!」て書いてある。まあ、テレビに居場所があるってことは、ありがたいことです。
『われめDEポン』のために麻雀プロ資格を取った
―― 「テレビの居場所」という言葉には実感がありますね。
児嶋 ずっと僕には居場所がない感じでしたからね。例えば『さんま御殿』でいえば、アイドルがいて、ベテラン俳優がいて、モデルさんがいて、それぞれに自分のテリトリーや役割があると思うんですね。夫婦の話になったら離婚の話ができるこの人とか。でも僕は見た目も普通、目立ったエピソードもない、キャラがなかったから、さんまさんも振りようがないんです。テレビに出始めた頃、麻雀のプロ資格を取ったのはそれもありますね。
―― キャラを立たせる特技として。
児嶋 もともと麻雀は好きだったんですけど、好きなだけ、ちょっと強いだけじゃネタになりにくいでしょう。トークバラエティに出演する前に、趣味とか特技のアンケートを取られるんですけど、説得力のあるものを一つ書けるようになりたかったですし。あと、プロ資格取ったのは『われめDEポン』に出たかったからです。
―― そうなんですか!
児嶋 あの番組は堺正章さん、加賀まりこさんといった錚々たる大先輩方も出演されますから、若手芸人で「麻雀好きです」程度じゃ出演できないと思って。