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「年収500万円の人が年収3000万円の人に申し込んで…」「女子大生も入会している」“伝説の婚活アドバイザー”が語る、結婚したい人の根本的な勘違い

婚活アドバイザーの植草美幸さんインタビュー#2

2024/06/22

genre : ライフ, 社会

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 昔は、親同士が仲が良くて子供同士を紹介しあったり、ご近所の人が「お宅のお嬢さん、そろそろ年頃よね」といって親切な人が誰かを連れて来てくれたりといったことがありました。ですが、今は女性もどんどん社会進出していますし、たとえば社内で上司がそんなことを言ったら大事になりますから、昔のように親切な人はいなくなってしまいました。

ーーハラスメントになってしまうこともある。

植草 「誰々君なんかいいんじゃないの?」なんて言った日には、「パワハラじゃないですか!」「セクハラじゃないですか!」となるので社内恋愛も滅多にないわけです。当然、社内結婚もほとんどない。

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 昔は会社自体が社内結婚を推進していましたから、「早く結婚すると安定するよね」ということで、親切な上司が「この人、どうなの?」とかってやってくれていたんです。それがなくなったので、出会うチャンス、結婚するチャンスもなくなってしまった。

親が子供に過干渉になる一番の問題は…

ーー親御さんの思考や価値観の背景には、何があると思いますか?

植草 日本の場合は、教育にも問題がありますね。いい学校に入れば、いい大学に入れば、一流の会社に就職できるという考えが根本にあるわけです。そのためには、「どこどこの中学や高校に入って、どこどこの大学に入りなさい」となるので、中学受験をする子は小学校4年生の3学期頃から塾に通います。そうなると、うちの子供は勉強さえしてくれればいいと。

 これがスポーツだと、野球だけやっていればいい、サッカーだけやってくれればいいとなって、お弁当を持って送り迎えみたいな、応援という過干渉になるんです。小さい時からかかわり過ぎなんですよね。

 それでいて、いい大学に向けて勉強さえしていれば「家事? それなあに?」という感じで、子供に家事もさせないわけです。何でも親がやってしまう。

 

ーー中学受験も激化して、そういう親と子がさらに増えていそうですね。

植草 だいぶ前から増えています。でも、やっと最近になって、男性でも料理教室に行く方が目立ってきました。ご自分でお買い物に行って、お野菜も買うし、お魚とかお肉も買うし、そういうものを買って作って安く上げる。これはコロナ禍が背景にあるんですけど、外出をしなくなったのでお料理をするようになったんです。

「恋愛をしないで結婚したい」という方が結婚相談所へやってくる

ーーこれは感覚で構わないのですが、結婚したがっている人は増えていますか?

植草 ここには「本気で結婚したい」と思っている人しかいらっしゃいませんが……結婚できない人が増えているとは思います。20代だと結婚したいと思っている人が増えているかもしれないですね。学生さんなどに聞くと、「結婚したい」「将来はできるだろう」といった回答が多くて。だけど、いったん社会に出ると「仕事が忙しい」「出会いがない」となって、そのまま40代になり、50代になっていく。

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