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お金のやりとりがない「カルト村」で育った女性はいま、お金とどうつきあっているか

『お金さまいらっしゃい!』著者が語る節約術

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最近の贅沢はあれをふたつ!

――最近「贅沢したな」と思ったことは何ですか?

 居酒屋さんでふぐの白子(980円)をふたつ注文したことです! 色々な種類を食べたいタイプなので、一度に同じメニューをふたつ頼むことって滅多にないんですよ。よく行く富山の居酒屋さんで去年食べたふぐの白子がとにかくとても美味しくて……。白子が出ている時期にもう一度行けるか分からないし、逃したら1年後なので、思い切ってふたつ注文しました。980円っていうことは、うまく選べばあと2、3種類違う料理を食べられたので、私にしては大きな決断だったと思います。

――今回の本を描き終えて、改めて今、高田さんにとって「お金」とはどういうものだと思いますか?

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 以前は、「大貧民のジョーカーみたいなもの」だと思っていました。手元にきたら嬉しくて、どのカードとも交換できて最強で、上手に使えばゲームに勝てる。でも最後に持っていたら負け……というイメージでした。

 今思う「お金」は、「特別なものだけど、できたら忘れていたいもの」。何かを選ぶとき、どうしても私は金額を気にしてしまって、ふさおさんによくたしなめられています。お金が基準になることも沢山あるけれど、それ「だけ」にとらわれないよう暮らしていければ良いなと思います。

©高田かや

マンガの印税はどうなったか?

――「『カルト村で生まれました。』の印税を何に使ったか?」についても、この作品の中で紹介されていましたが、「今回の印税はこう使う!」というご予定はありますか?

 1冊目の本でいただいた印税はふさおさんの個人年金にさせてもらったのですが、その際色々教えてくれたファイナンシャルプランナーさんがとても勉強されていて、あらゆる金融商品に詳しかったので、また時間を見つけてお金の話を聞きに行こうと思っています。

 印税といっても後払いの年俸みたいなものですし、来年以降ももらえるかは全く不透明ですよね。下手したら今年の印税がこの先10年分の生活費になるかもしれないので、慎重に扱わないとなーと思います。

――今後、こんな仕事にも挑戦してみたいというのはありますか。

 去年、文芸誌(「群像」、「小説新潮」)から文字のエッセイの依頼をいただいて、「絵でしか表現できない、絵があった方が伝わりやすい話は確かにあると思うけれど、文章だけで表現することもまた違った魅力があって楽しいな」と思ったので、また文章の依頼がきたら嬉しいですね。

 あとは童話や絵本も書いてみたいです。私には子供はいませんが、小さい子供がとても好きですし、自分自身、大人より子供に近い考え方をする部分があるように感じるので、小さな子が喜んでくれるようなお話を本にできたら良いなと思っています。

お金さま、いらっしゃい!

高田 かや(著)

文藝春秋
2018年6月8日 発売

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カルト村で生まれました。

高田 かや(著)

文藝春秋
2016年2月12日 発売

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さよなら、カルト村。 思春期から村を出るまで

高田 かや(著)

文藝春秋
2017年1月30日 発売

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お金のやりとりがない「カルト村」で育った女性はいま、お金とどうつきあっているか

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