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発見した「歩行者専用トンネル」をぬけて脇道を進む
そんな古い港町を抜けてゆくと、外房黒潮ラインと呼ばれる国道128号に出る。国道沿いにはコンビニやらファミレスやらがあって、現代にあってはこちらがメインストリートなのだろう。クルマの通りはひっきりなしで、それでいてちゃんとした歩道があるわけではないから、歩いているとちょっとおっかない。
などと思っていたら、墨名歩道トンネルという歩行者専用のトンネルがあった。トンネルを抜けた先はもう一本の国道で、国道297号に通じる。トンネルの真上の丘の上には小学校。小学校方面に直接抜ける出入口も、トンネルの真ん中に設けられている。
この歩道トンネルは、1970年代に作られたという。ちょうどクルマの交通量がどんどん増えていた時代。きっと、この地域の子どもたちが交通量の多い国道を延々と歩かず学校に通えるようにと設けられたのだろう。小さな町の真ん中で丘の下を貫く1本のトンネルに、子どもたちの安全に対するこの町の人々の思いが感じられる。
外房黒潮ラインからこのトンネルを抜けて国道297号に出て、そのまま脇道を入ってゆくと、勝浦駅の駅前広場に戻ってくる。
歩道トンネルは、港町と駅前の近道でもあるのだろう。駅を降り立った避暑・避寒の行楽客はそのまま海に向かって一本道を歩き、港方面にはトンネルを抜けて。それほど広い市街地でもないからわかりにくいが、意外とうまくリゾートエリアと港町エリアが分かれているような印象を抱く。